私自身、「もっと大きな声で」「もっと上手く歌わなきゃ」と力んで練習していました。歌うほど喉が痛くなり辛かったです。でもある時、“歌う時に意識するポイント”を変えたことで、喉の痛みがなくなり声の出しやすさが一気に変わりました。初心者の方が練習に取り組む前に知っておくべき大切なポイントをお伝えします。
「頑張って歌っているのに喉が苦しい…」その悩み、実は初心者に多いです
私が歌を本格的に練習し始めた2017年頃、「ちゃんと歌おう」と思うほど、無意識に喉に力が入ってしまい、よく痛みが出ていました。「歌を始めたばかりなのにどうしよう」「このまま喉を痛めたくないし」と一人で不安になっていたのを思い出します。
特に、歌がうまくなりたい気持ちが強い人ほど、「大きな声を出さなきゃ」「高い声を頑張って出さなきゃ」と無意識に力んでしまいやすくなります。
すると、本来は自然に動くはずの喉まわりの筋肉が固まり、可動域が狭くなることで声が出しづらくなったり、すぐ疲れたりします。高音になると苦しくなるのも、その影響です。
最初のうちは、「喉を使って歌っている感覚」があるかもしれません。でも、そこでさらに無理をするよりも、「今、自分は力んでいるかも」と気づけることが大切です。
喉に力が入る人ほど、“頑張って歌おう”としすぎている
歌の練習をする度に喉を痛めていた頃の自分を振り返ってみると、「もっと上手くなるために頑張って歌おう」という気持ちを強く持っていたからだなと思います。だからこそ、音程を外さないようにしたり、高音をしっかり出そうとしたりして、必要以上に体に力が入っていました。
初心者のうちは、「大きな声=良い声」「力を入れないと高音は出ない」と思いやすいですが、実際はその逆です。声は、無理に押し出そうとするほど喉に力が入りすぎて喉が締まり、響きにくくなります。頑張っているのに苦しくなるのは、努力不足ではなく、“力の方向”が少し違っているだけなんです。
たとえば、肩に力が入ったまま深呼吸をすると、息が浅くなりますよね。歌も同じで、喉まわりが緊張すると、声は自由に動きづらくなります。だからまず大切なのは、「頑張って声を出す」より、「余計な力を減らす」ことです。
最初から完璧にできなくて大丈夫です。「今、力が入っていないかな?」と気づきながら歌うだけでも、声は少しずつ変わっていきます。上達している人ほど、実は“ラクに歌う感覚”を大事にしています。
本当に大切なのは、“力で歌う”より“喉に負担がかからない正しい歌い方を身につける”こと
喉に力が入る原因は、「もっと頑張らなきゃ」という気持ちだけではありません。歌い方そのものがまだ身についていない状態で、声量や高音だけを何とかしようとしてしまうことも大きな理由です。
私自身も以前はビヨンセやレディーガガなどの洋楽歌手の迫力のあるパフォーマンスを見ては「力を使って声量が出せる人ほど歌がうまい」と思っていました。でも2024年1月にアメリカのボイストレーナーのオンラインレッスンを受けて気づいたのは、上手な人ほど必要以上の力を使っていないということでした。高音も大きな声も、無理やり押し出しているのではなく、息や身体の使い方によって自然に出しているのです。
もちろん、そのような正しい歌い方は一日で身につくものではありません。呼吸の練習をしたり、発声の感覚を覚えたりしながら、少しずつ身体に覚えさせていく必要があります。
だからこそ、毎日少しずつ歌う練習を続けるためにも、喉の痛みが出ない正しい歌い方を身につけることが、初心者の方には特に大切です。もし今歌うたびに喉が苦しくなるなら、「もっと頑張って声を出そう」とするのではなく、「どうすればラクに声が出るだろう」と考えてみてください。
歌の上達は、力任せに頑張った量だけで決まるものではありません。正しい歌い方を少しずつ身につけていくことが、結果的に遠回りのようで一番の近道です。そしてその積み重ねが、喉を痛めずに長く歌を楽しめる土台になっていきます。
喉に力を入れずに歌うために初心者が意識したい3つのこと
私は洋楽の歌手に憧れていたので、歌の練習を本格的に始めた時はついつい真似をして「口を大きく開けて、大きな声で歌おう」としてしまっていました。その時は洋楽の歌手みたいに歌えた気分になって楽しかったのですが、後からいつも喉の痛みが出ていました。「このままじゃ喉を痛めて歌えなくなってしまうんじゃないか」と不安になり、アメリカのボーカルコーチのオンラインレッスンを受けました。
この経験から歌の練習を始めたばかりの方には、喉の力みを減らすために、まず意識してほしいことがあります。それは「喉ではなく、横隔膜に力を入れて歌うこと」です。横隔膜ってどこって思った方もいると思います。横隔膜は息を吸うと下がり、息を吐くと上がる、胸とお腹の間にあるドーム型の筋肉です。歌う時に必ずこの筋肉に力を入れながら歌うように意識してみてください。喉に無駄な力が入るのを防いでくれます。
次に大切なのは「歌っている時に体のどこかに余計な力が入っていないかを確認すること」です。特に肩や首、あごに力が入ると、その緊張がそのまま喉に伝わります。歌いながら一瞬でもいいので、「今、どこか固まっていないかな」と気づく習慣を持つことが大切です。
そして3つ目は「大きく歌おうとしすぎないこと」です。初心者のうちは声量を上げることに意識が向きがちですが、最初から大きな声を出す必要はありません。小さめの声でもいいので、安定して出せる状態を優先したほうが、結果的にきれいな響きにつながっていきます。
この3つはどれも難しいテクニックではありませんが、意識するだけで喉の状態は少しずつ変わっていきます。無理に変えようとするよりも、「喉の状態に意識を向ける」ことから始めてみてください。
まずは1つだけ。「力を抜いてから歌う」を今日から始めよう
私がアメリカのボーカルコーチのオンラインレッスンで最初に気づいたことは、「喉の痛みが出たら練習をストップすること」でした。
初心者の方にとって大切なのは、「うまく歌おう」とする前に、まず“力みを減らす習慣”を作ることです。喉の状態は、特別な才能よりも日々の小さな意識で変わっていきます。
今日からできることを1つだけ挙げるとすると、「歌う前に一度だけ深く息を吐いて、肩とあごの力をゆるめること」です。たったそれだけでも、喉の緊張は少し下がり、声の出しやすさが変わります。
歌い始めてから直そうとするより、最初の状態を整えるほうがずっとシンプルです。「力を抜いてから歌う」という順番を習慣にしていくことで、無理に頑張らなくても声が出る感覚が少しずつ育っていきます。
今日の練習は完璧にできなくて大丈夫です。ただ一度だけ、「力を抜いてから歌い始める」を試してみてください。その積み重ねが、喉を守りながら歌を上達させる一番の土台になります。これから自分の喉を大切にしながら、毎日少しずつ練習を続けられるよう願っています。
